10月の頭。
私が、入院する日の朝。
恐らく、表面には見えないけど、色んな思いが錯綜して、
それが前進の為 ガラガラと動き回りだした日。
今も勿論ガラガラと回っている。
雨が降る薄暗い朝。
目が覚めて、ガタガタと音がする縁側に目を向けると、吉子が
2匹の赤子を連れてきていた。 1匹は、吉子そっくりの子。
もう1匹は、吉子の柄とシロ色が混じった子。
こんな日にこんな事が、起きるとは、私の友達は、何故か皆一緒の意見で、
“しばらく 一人になる 旦那さんの勇気づけの為に 吉子が連れて来た”
との事。
相方の性格を知っている訳も無い友達がそんな風に揃って言うのも
妙に感じた事を強く覚えている。
ミィミィと我が家縁側で鳴く声を背に私は病院に入り、そして戻ってきた。
入院中、相方が来ると開口一番“吉子は?チビは?”と聞くのが通例で、
“今朝も居たよ”とか“前より大きくなった”と話を聞くのが楽しみだった。
私が退院して、家に戻ると、吉子そっくりの赤子は、居なくなっていて、
白色が混じった子 1匹だけが残っていた。
それから まだ1週間だけど、みるみる成長していき、我が家の庭を駆けずり
回る程に。
以前から職場に、ペットショップで買う猫でなく、野良上がりの子猫が欲しいと
言う子が居て、今日、その子にチビを委ねました。
引き渡し前日の昨日の夜。
手の平に乗る チビタを見ながら 涙を流す、私と相方。
入院中もずっと見ていた相方の方が色々と思う事はあるでしょう。
そして 我が子を引き離される 吉子の気持ちを思うと、“正しい事なのか”
と迷いも出るのが本音ですが、この選択は、後に良かったと思う事になるの
だろうと信じています。
今日から、チビタの新しい道が出来ました。
傷心吉子のチビタを探す鳴き声は心を掻きむしられる思いです。
家に着いた友達からの報告では、環境の変化に、餌を食べないとの事。
吉子は、食欲は落ちず・・・
食べて探すの繰り返し。。
うーん逞しい。。。
チビタのこれからが幸せであるように。